「プッチ」が瀕死の状態で救出されたのは2017年6月、北海道静内町でした。本編はニャン友ねっとわーく北海道代表、勝田さんの手記です。

写真は、2020年3月に猫238匹が保護された札幌市の多頭飼育崩壊の写真(提供:ニャン友ねっとわーく北海道)

瀕死の子猫の命を救ったボランティアと乳酸菌

瀕死の状態でプッチが静内から運ばれてきたのが14日の夜中。 食べなくなってすでに10日。水も飲まなくなった。 嘔吐と下痢で脱水。この3日間は点滴で命をつないでいた。

子猫の名はプッチ

15日、腸内は悪玉菌もいなければ善玉菌もいない終末の状態だと獣医さんに言われた。顕微鏡で見るとらせん菌(カンピロバクター)だけがわずかに泳いでいた。 らせん菌が活発だとお腹が痛いらしい。

診察結果はらせん菌感染症

ウンチから「硫化水素」の腐敗臭がする。 通常なら抗菌剤を投与するところだが、獣医さんと相談して15日から栄養剤と「ある乳酸菌」を水に溶いて与えることにした。 腐敗した便を腸内洗浄し、温めてずっと撫で続けた。 がんばれ、プッチ。

「ある乳酸菌」を与えたら

17日、プッチは何とか乗り切りました。ごはんもぺろりと食べ、お代わりをねだるまで持ち直しました。 そして初めて形のあるウンチをしました。もう腐敗臭はしません。本当に良かった。

腸内細菌の復活がカギだった

23日、プッチ、すっかり元気になりました。もう大丈夫。譲渡に向かって募集の準備をしましょう。

(ニャン友ねっとわーく北海道では保護猫の譲渡活動を行っています。)

元気になったプッチ

プッチの物語には大切なメッセージが隠れています。 動物でもヒトでも、飢餓状態になると、免疫などの生体の防御機能が重大な影響を受けます。 特に腸管は低栄養になると委縮したり、バリア機能が破綻することが知られています。 そのような弱った腸を救うのが生きた菌(プロバイオ)の効果です。

抗菌薬よりプロバイオ

飢餓状態の腸を 回復する乳酸菌

プッチの場合は飢餓状態となって腸が衰弱しています。 衰弱した腸は点滴では回復しません。つまり腸を使わないと回復しないのです。しかし無理に栄養を口から与えても、腸のバリア機能が低下しているので、腸内の細菌や毒素が体内に侵入してしまいます。 このケースでは「ある乳酸菌」が効果を発揮しました。それは北大発ベンチャー認定企業が開発した「ライラック乳酸菌」です。

腸液や消化液がアルカリ性なので、腸内はアルカリ性になりやすく、猫は肉食性が強いのでさらにアルカリ性になる傾向があります。 多くの病原菌は中性から弱アルカリ性を好むので、カンピロバクターなどのもとからいる菌が暴れ出すことがあります。 このようなケースで抗菌薬を用いても腸の回復は見込めません。

腸内は悪玉菌の好きなアルカリ性になりやすい

スカスカの腸を元気にするのは短鎖脂肪酸

ライラック乳酸菌の特徴は、少ない菌数で腸内環境を整えることです。 他の乳酸菌やビフィズス菌では胃酸や胆汁酸で死んでしまうので、大量に摂取する必要があります。 衰弱した腸は「スカスカ」になっているので、あまり効果的でない菌をたくさんとると腸壁から体内に侵入する菌が増えてしまいます。 また小腸は栄養を吸収する重要な器官ですが、面白いことに小腸の絨毛細胞のサイズを決めているのは大腸でできる短鎖脂肪酸、特に酪酸の量なのです。大腸で酪酸をつくらせることがポイントになります。

ライラック乳酸菌の役割は「環境づくり」

よく「腸内環境を整える」という表現を用いますが、具体的にはどういうことでしょうか。 一つは腸内のpHです。病原菌などの悪玉菌は中性からアルカリ性を好みます。大腸内を近位から遠位まで弱酸性に保つことで悪玉菌もおとなしくなります。 次は腸内の善玉菌が活躍できる条件をつくることです。これはちょっと企業秘密ですが、酪酸をつくる菌などを支援する環境をつくります。 最後は自分を含めて菌が増えすぎないことです。特定の菌が支配的にならずに、多くの菌が活躍できる環境づくり、それがライラック乳酸菌の働きです。

ライラック乳酸菌について

ライラック乳酸菌はアテリオ・バイオ株式会社が製造販売しています。詳細については下記をご参照ください。